3-2 国会での議論の体制・あり方
エネルギーについて調査を行うだけでなく、立法化も可能な場が必要である。省エネ法等現在縦割り的になっているエネルギーに関する個々の事項をパッケージ化した「エネルギー基本法」を作り、その上で原子力、新エネ、省エネを位置づけていくべき。原子力研究開発利用長期計画は執行を決めているものであり、閣議了解事項でいいと思う。
エネルギー問題の議論で自然エネルギーのみを特別扱いするというのは反対である。かつて原子力エネルギーがそのように扱われて、今日のような問題を抱えるに至った。全体のエネルギー問題の一部分として、他のエネルギーと平等に議論されるべきで、その意味で必要なのは「エネルギー基本法」、「総合エネルギー政策法」といったものだ。
エネルギー政策を考えていくとライフスタイル、教育、建設など幅広く議論を行う必要が出てくる。今の文教科学委員会や科学技術委員会といった常任委員会だけでは検討範囲が狭い感じがする。特別委員会を設置し、超党派、超省庁で議論すべきである。イデオロギーの対立は以前はあったが、今はなくなっており、そういう議論ができる状況である。
特別委員会を設置することは結構だと思うが、常任委員会の機能を十分発揮させ、じっくり議論する必要がある。
国会での議論は時間制限等制約が多く、また、常任委員会ではその時々の政党間の利害関係などに影響され、弊害が出てくる恐れがある。議員連盟のような場の方が自由に議論できる。
国会は立法府であるとともに、行政を監視し政府に意見する機能も担っている。常任委員会で議論を行うことは当然だが、参議院には調査会制度があるので、ここでじっくり検討するというやり方がある。
エネルギーや原子力は国会で相当議論しているが、外にうまく発信されないことが問題。テレビなどで公開もしているが、さらにどうすればよいかが今後の課題である。
国会で議論はしているといっても、今まで事故の対応に追われ、エネルギー政策の視点での議論は不十分であったと思う。
衆参両院議員の「新エネルギー促進議員連盟」が発足したが、ここでの議論に期待している。かつて、原子力という当時の新しいエネルギーの開発に積極的に協力した東海村が、同じように新エネルギー分野でも果たせる役割はあると思う。
原子力について、どれくらい安全にして欲しいかは国民の問題であり、専門家が決める話ではないので、国会で議論して欲しい。一方、その安全を達成するためにはどうするかという話は、専門家に検討してもらう問題である。社会の要望は国会、技術的な問題は専門家というような、国会と行政で役割分担ができるのではないか。
原子力を含めたエネルギー長計については、国会で議論した方がマスコミにも注目されやすく透明性が高いと思うが、一方で政治家は原子力の議論をすることにより、選挙で落選することを心配して、本音で議論されない可能性がある。
政治家は選挙期間中、高浜発電所第3、4号機のプルサーマル計画について白紙としていたのに、現在では、前向きの発言をしており、県民の声を反映せずに政策決定が行われていると感じられ、そのプロセスが納得できない。
地球温暖化防止に関して議論した際には、学校や郵便局にソーラーシステムを導入する案など、関係方面からいろいろなアイディアを出してもらったが、そういった場を作る努力が必要である。
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