6-4 もんじゅの取扱い
もんじゅについては開発時点で十分な検査、検討の上、これまで多大な開発資金を投じてきたこともあり、実験を行うべきである。
もんじゅについては、動かせば相応のデータが得られるだろう。運転を再開するのか、やめるのか、その判断が早く下されるべきである。
「もんじゅ」が研究用として利用できることは理解できるが、あくまで副次的な効果であり、期待していた主目的が達成できないからといって、理由をすり替えて推進するという議論はおかしい。
もんじゅを動かしてデータを取ればいいではないかとの意見があるが、何に使うかの目途を立ててからデータを取らないといけない。将来の核燃料サイクルのあるべき姿から必要なデータをもんじゅを動かして取るべきである。
もんじゅは中止すべきである。これまで、ウランが高騰すると言われ続けてきたが、いつまでたっても高騰せず、その論理が破綻したということではないか。旧動燃は累積赤字が1兆6千億円あり、今までは誰も「中止」と言い出せなかった。が、今なら言えるのではないか。
6000億円かけたから動かすべきと言うが、福井では合意ができていない。メリット、デメリットの議論をすることには賛成であり、それを踏まえて地元合意を作って欲しい。「もんじゅ」は、燃料を取り出し、ナトリウムを抜き取れば、100億円はかからず、その上で判断すべきである。
もんじゅの運転再開については地域住民の合意はもとより、安全審査、技術的検証が必要である。
実用段階というのは、電力会社が2つ以上原子炉を作る段階だと思う。「もんじゅ」は早く動かした方がよい。但し、「もんじゅ」の延長線上に実用化がないのなら、途中で方向を切り替える必要がある。「もんじゅ」を動かす場合のメリットとデメリットについて、比較し、地元に示すべき。
「もんじゅ」では、放射性物質が漏れた訳ではない。ただ、地元に「ナトリウムは漏れません」と説明したのは、適切ではなかった。今後は「何度か漏れることもあり得ます」と説明しないといけない。ただ、地元の賛成をいただくことは、選挙との兼ね合いもあり、技術開発とは別の次元の問題となってしまっている。
漏出したのは二次系ナトリウムであるが、放射性トリチウムが含まれているので、放射性物質が漏れていないということには異論がある。
「もんじゅ」は実用化に向けた原型炉と位置付けられているが、資源制約、国際動向等を踏まえて、この際、見直すべきではないか。実用化とはこれまでのものを外挿するのとは違う。研究開発とは自ら実用化の条件を探し、いろいろな物を試す期間であり、「もんじゅ」で知見を積むことは有益である。
MOX燃料、ナトリウム冷却材でよいのかを議論するに当たっては、外国がこうであったからという議論ではなく、エンジニアリング上の経験の蓄積が必要であり、そのためのプロセスとして「もんじゅ」が必要という主張は理由のすり替えではない。
もんじゅについては、ナトリウム漏れによる火災対策や海外の経験に学ばなかった点など、当時の科学技術庁、原子力安全委員会等の責任が明確にされるべきである。
もんじゅについては、安全審査に取り組むべきであり、ナトリウム以外の金属による冷却も含めて研究開発するべきである。日本がFBRのトップリーダーとなることを目指すべき。
 
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