プルトニウムの利用については、社会的安全性も含め、核不拡散上も問題である。 核不拡散は日本の信用に係わる問題である。単に余剰プルトニウムを持たないといった方針で対応するのでなく、日本のエネルギー政策とは別に、外交努力により信頼を得るべきである。 核不拡散の問題に関連した外務省の内部文書によれば、日本は核兵器を保持しないが、潜在的な製造能力を有するとの検討を行ったことがある。その意味で、プルトニウムの取扱について、国会で透明性のある議論をするべきである。 核不拡散の問題は、外交努力により解決されるものというが、外務省によるそういった活動というものが見えてこない。 日本は核拡散防止条約の優等生であるべきで、世界のリーダーシップをとるべき。外国から査察を受け入れるだけでなく、査察官の派遣など人的貢献を行い、世界の核不拡散に寄与すべき。 国内では、情報の公開を徹底し、核不拡散技術開発を進めていくべき。国外では、ロシアの核拡散リスクの低減に積極的に協力すべき。 核不拡散は原子力の軍事利用と平和利用との矛盾である。平和利用のためには核廃絶が必要であり、平和利用を担保するために学術会議が自主、民主、公開の原則を提案した経緯がある。また、核不拡散の手段として、保障措置と核物質防護があるが、核物質防護が行きすぎると国際的な透明性が下がる。 原子力に関しては、発電利用と兵器利用を混同して議論されているという問題がある。 |