原子力を含むエネルギー全体を対象とした「総合エネルギー委員会」のような組織を各省庁から独立した形で設立し、エネルギー政策全般に対する企画立案機能をもたせて、検討を行う方法が考えられる。逆に、「総合エネルギー委員会」は経済産業省の所管で十分という考え方もある。このように、「総合エネルギー委員会」に対するイメージは人によって様々であるため、まずはその機能について検討する必要がある。 原子力委員会は科学技術庁や通商産業省に対するイニシアチブをとることが重要である。この点では内閣府に置かれることは評価できるし、さらには国会に原子力特別委員会を作る方法も考えられる。 原子力政策についてなぜ原子力委員会という委員会形式で検討を行うのか、という原点に立ち戻って検討する必要があるとともに、原子力委員会そのものに対する評価が必要である。さらに立ち戻って、なぜ原子力が必要なのか、という点も検討が必要であるが、現在の原子力委員会もそのような点について検討する機能は備えている。 原子力委員会は単に産業界の追認をするだけであり、何もしてこなかったため、存在意義がない。廃止するべきという考え方もある。 原子力委員会における議論のプロセスや活動内容が、国民全体から見えて理解してもらえるように、透明性を確保し、説明の責任をもたせるべきである。また、円卓会議における検討内容をぜひ政策に反映してほしい。 原子力委員会には、日本だけでなくアジア全体へのエネルギー安定供給に関する点など、幅広い観点から検討してほしい。また、今後の検討内容としては、放射性廃棄物、使用済核燃料、廃炉などの点を重点的に行ってほしい。 省庁再編で、原子力委員会、原子力安全委員会は内閣府に移るが、機能は現状維持であり、これでよいのか。 |