6-1 核燃料サイクルの方向性
ワンススルーと再処理のどちらが良いかについて、専門家だけでなく十分な議論を尽くし、国民に示すべきである。
ワンススルーは使用済燃料の永久貯蔵を意味するが、中間的に貯蔵しておき、将来再処理できる選択肢を残しておくべき。使用済燃料として保管、再処理してプルトニウムを保管、MOX燃料として使用のどれか一つの方策ではなく、混合的な解決しかない。三つ全てやっていく必要がある。
再処理については、放射能による環境汚染もあり、中止すべきである。それに伴って余剰Puの発生も抑えるべきである。
軽水炉や湿式再処理がそれぞれ実証済み技術という前提で導入されてきたが、実際にはトラブルが生じ、国民の不信を招いてきた。
サイクル政策についても、全量再処理については再検討が必要。また、余剰プルトニウムを保有しないという方針だけでなく、世界の信頼を得るためには外交努力も必要である。
核融合の困難さ、新エネルギーの限界を考えると、100年も経てばエネルギー資源が足りなくなる。その時のためにもプルトニウムは人類に必要な資源だ。
現状はローカルオプティマムでしかなく、軽水炉の効率は30%しかない。電力会社はその範疇で大型化を図り、ABWRを増やそうとしている。20世紀の遺物とならないよう、考えを転換する必要がある。
国内初の原子力発電所の廃炉の処分法については、現在検討されているので明らかにされるが、廃炉については、全国的な課題として考えるべき。
核燃料サイクル開発機構からの技術移転等、開発体制のあり方についても検討を行うべきである。
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