エネルギー消費拡大路線の見直しが重要である。 世論では、8割程度が生活水準は現状あるいは以前の生活水準で良いと言っている。つまりエネルギー需要は抑制の方向で考えても良いのではないか。 大量生産大量廃棄の社会のあり方を見直すとともに、原子力に頼らない新たな社会を我々は求めつつある過程にあるのではないか。 市民の意志とは、「今までどおり電気を使い続けたい、しかし発電システムは安全であって欲しい。」ではないか。 経済状況がどうであろうと、あわてて結論を出さずに、原子力発電に頼らざるを得ないかどうか、省エネの方が安くて、国民が実行できるかなどを検証すべきである。 今後、エネルギー消費が増大し続けると仮定した場合、省エネルギーの進展、新エネルギーの開発が必要である。省エネルギーについては日本には実績があるし、新エネルギーの技術開発も集中的に資金を投入すれば、その進展を早めることが可能。 省エネのためライフスタイルを改善することは、政策ですべきことではない。自分の生活について、どこまで文化的な暮らしを追求して良いものなのか考えることが必要。 政府の2010年までの見通しでは、2%の経済成長、原子力モラトリアムを前提とすれば、2.7%の省エネルギーが必要とされている。年間2.7%の省エネルギーというのは、世界で最も省エネルギー化が進んだ石油危機直後の日本の省エネルギー率を越える値であり、このような省エネルギー化を進めるのは困難である。 |