新材料開発のためのデータシステム試論（１8）
—実践論—
Preliminary Study on Data System for New Materials Development (18) –Development Strategy-
By Shuichi Iwata, ……….

＊Tactics and strategies to develop MGE.

ロードマップの策定とプロトタイプの設計・開発；デジタル化事業モデル；品質/信頼性と価格、知財、商品と公共財、データ戦略等々のマルチレンマ問題の超克等。
科学、技術、戦略的イノベーション、確固たる目的、意志と長期計画等々の近代以降の進歩への信仰に衝き動かされたモノを組織的に、経済的に、あるいは軍事的に生産するための考え方もある。それは近代や現代で集団による力が必要になったためである。物質・材料のデータの発生は、計測、実験、試験装置やデータ処理手順の標準化によって品質管理され、不揃いも減少しつつあるが、環境条件や使用条件、製造条件の異なるフィールドデータ、メンテナンスデータも重要なエンジニアリングデータであることを想定する必要があり、全てのデータが管理されていると考えない方が適切であろう。
即ち、物質・材料に関する全てのデータは、原料、製造条件、ミクロ組織、使用条件、計測・測定条件、データ処理手法等々、それぞれのデータが生産されるまでに固有のライフサイクルを経ている。つまり、物質・材料と人間との対話の記録であり、人間か観測し、計測し、考えた結果の記録である。物質・材料もそれぞれ唯一無二の存在であり、対話する人間も同様であることから、データは物質・材料に関する人間の経験の説明であり、「手紙」に書き込まれた数値であり、それぞれ固有の文脈を有する。
このような視点で物質・材料データの記述を考えると自然科学の原点に回帰しての自由な発想ができる。経験したコトを表現したのがデータであり、テキスト、画像、数値、文章などによって近似的に記述される。学術的な論文は、個別的な材料との対話の経験を他者の経験と比較可能とするために、言語、形式を揃えて記述した手紙である。。。。。