福島第一事故の終息、廃炉にともなう廃棄物処理、原子炉、放射性物質利用施設から、将来、排出される膨大な放射性物質の処理を考えたとき、科学技術データを基に全てのシナリオを織り込んだ継続的な検討と検討結果の発信を実施するための体制の構築が必要である。
lオープンデータとオープンアクセスによる価値中立を徹底することにより、原子力関係者が失ってしまった信頼を獲得する。
lFUKUSHIMAにより顕在化した現代社会の様々な課題・困難を分析し、それらを乗り超える実例を示して記録し、日本が世界を先導して新たな世界秩序の構築に貢献する。
l格好をつけることでエネルギーを使い果たしてしまい意思決定が出来ない日本の関係者が脱皮するためのアイデアを提供する。
Ø事故という事実の重みを乗り超えるための戦略を策定できない行政支援のための国際的なシンクタンクが必要 e.g.、韓国現代グループが構築しつつある米ロだけでなく世界全体の識者への人的なネットワークを参考にした国際的なネットワーク構築。イメージとしては、過日、NHKが紹介したEPRIのRosa Yangなどが加わっている国際除染チームの拡大バージョンが構築できないか?
Ø評判を落とし続ける事後処理ではなく、事前の選択肢の準備と透明性のある議論の実施への改革 e.g.,過去の組織論的な過誤を引きずって、ちっとも近代化しない規制委員会、原子力学会、機会学会、電気協会の標準委員会では、実効の上がる安全対策は期待できない。事前の選択肢をもっとスマートに世界の知力を動員して準備できないか?
l上記の難しい課題を超克するためには、従前の国際標準における従順なRule Takerから自らの価値観、哲学と先端的な技術を基軸にしたRule Makerへと脱皮することが急務である。
Ø例えば、健康リスクに関する国際的な標準化の先導(掛け声だけのトップダウンの規制改革を補完し、世界を動かす共感者を獲得できる使命感に基づく先導)
²トリチウムなどの放射性物質を希釈して海や大気中に放出することをもっとオープンに実施するための国際的なコンセンサスの達成、
²温暖化効果ガスを含む化石燃料(石油文明)からの産業廃棄物と高レベル放射性廃棄物のリスクとそれぞれのエネルギー源の便益をバランスよく評価するためのRuleの検討。
²誰にとっても理解できるデータ、モデルに基づく予測と決断。