8-2 原子力研究開発利用長期計画(長計)
長計の役割は原子力政策のビジョンを示すことである。核燃料サイクルの将来を明確にした長計の見直しを行ってほしい。
長計については「検討対象」「委員の選考方法」「運営方法」「政策判断の客観的方法論」「タイムテーブル設定の方法論」「長計自体に対する評価方法」について再検討が必要である。
長計については、硬直的にならないように、複数の選択肢をもたせるなど柔軟性をもたせる必要がある。長計はこれまで適宜修正はされてきているものの、社会経済情勢の変化、技術開発の進展に追いついていないという見方もある。
長計の中で多様な技術開発について議論されているが、それが外から見えていない点が問題である。また、技術開発には試行錯誤が重要であり、段階的なチェックアンドレビューが行われることが必要である。
日本のエネルギー全てを原子力発電に託すといった考えは、現在の長計においても全くないが、現在、策定中の長計の中で、新エネルギーの可能性についても評価し、総合的にエネルギー全体の中での原子力の位置付けを議論することになっている。
長計は閣議了解事項であり、政府の問題である。国会が関与するなら、例えばエネルギー基本法のような法律を作らないと、単に意見を言うのみになってしまう。
長計ではプルトニウム利用については、FBR、新型転換炉、プルサーマルの順の位置づけであったが、新型転換炉は中止になり、FBRの実用化は50年先となり、脇役であったプルサーマルが主役になってしまった。見直しが必要である。
エネルギー長計を閣議了解事項にしておいていいのか疑問であり、国会で議論できるように国会報告を義務づけるべきである。