7-1 情報公開のあり方

現状の情報公開はまだ不十分である。情報に客観性をもたせるとともに、アクセスの自由度を高め、前提条件等も含めて分かりやすく、繰り返して情報を開示する事が必要である。
情報公開については、「技術の部分ではきちんとしている」「情報量は多いが信頼性が低い」「前提条件等データの中身がわかりにくい」「部分的に公開されていない情報があり特に経済性に係わるものが少ない」等の意見がある。
現在、国の法律として「情報公開法」が無いのは大きな問題だ。法律が無ければ情報の請求を行うことができないし、そのような環境で原子力関係者が「(情報を)公開しています、これからも公開を進めます。」と言っても説得力がない。現在、法律化が進められている「情報公開法」は例外規定ばかりで話にならない。
事故があれば、まず隠そうという原子力関係者の体質の影響が大きい。今までのごまかしを覆すような、信頼を得る仕事をして欲しい。推進側は、プラスのイメージの情報と同様に、マイナスのイメージの情報も出して欲しい。マスコミにも努力してもらい、正しい情報を出して、正しい知識を広めて欲しい。
負のイメージには、マスメディアの影響が大きいが、それを増殖させてきたのは原子力政策や、事故時の虚偽報告等であり、それはメディアの責任ではない。原子力発電は安全であると言っても、負のイメージ、不信感はなくならない。
原子力の世論は情報の質量により大きく変動するが、現在はネガティブな原子力報道に強く反応する情報不足社会である。安定した原子力世論に導くためには、恒常的な情報提供が必要である。
反省点としては、わかりやすい広報をしていくことが必要であるということである。
市民として、原子力政策決定の背景と実態、市民の疑問に対する回答方法などを納得する形で得たい。
世論調査の解釈は設問や結果の見方による大きく変わりうる。
議論をしていても互いの根拠とするデータが異なる点が問題となることが多いことからデータは検証可能なものでなければならない。しかし現状の公開データだけでの検証は無理である。
国民も発電所見学等により原子力がどの程度安全か自ら確かめることが重要。
知識を伝えても、受け手の準備がなされていないと受け入れられない。誰でも、責任のある立場につけば、不都合な情報も受け取らざるを得なくなり、責任ある決定を行うようになるが、全ての人にその機会を与えることは不可能である。そのため、エネルギー問題について正確な情報を盛り込んだシミュレーションゲームを製作配布し、エネルギー問題について考えてもらってはどうか。
情報公開こそ最も重要なものであるといっても、原子力に関しては、事故などのリスク情報のみがマスコミに取り上げられ、ポジティブな情報は取り上げられない。情報の受け手が備えるべき節度の重要性も訴えたい。
動燃の教訓を踏まえ、事業者は透明性、モラル向上等の意識改革を進めてきた。敦賀2号の事故では、情報を全て公開している。放射性廃棄物の問題については、相当な報告が出ている。インターネット、図書館で見られるようになっている。
現在、日本のエネルギー自給率は原子力を除くと6%しかなく、原子力発電は日本にとって欠かせないエネルギーである。その理解を広めなくてはならない。
国民の大部分は、原子力に対し「良く分からないが不安」というイメージを持っており、そのような人々への説明が重要である。安全でないものを、どう安全に使っていくかの説明が必要である。
日本は原発のリスクを隠すという体質があると思われるが、リスクを公開しながら、引き受けるという考え方について議論を行う必要があるのではないか。
間違いを恐れず、必要な時に迅速な情報提供を行うことが重要である。間違えたら、後で訂正すれば良いと考えることも必要である。公開できない場合にはその理由を正直に言えば良い。
フランスでは、原発の広報部長が独立した権限を持ち、全ての情報が広報部長に集まるようになっている。日本のように現場と本社、現場と役所を頻繁にやりとりしていると、遅れるのは当然で、日本でも工夫の必要がある。
原子力について全国民的な議論の必要性の提案があったが、全国的に議論をしてもまとまらないし、まとまれば大政翼賛会になる。原子力政策の決定を国民に委ねる様な意見もあるが、国民は新聞等マスメディアに影響を受けやすく、新聞が必ずしも正しいとは限らない。
市民側から、どの程度のリスクならば十分安全と考えるのかを逆に提示することが必要である。
国際条約もあり、必ずしも全ての情報公開が可能なわけではなく、その場合には理由を正直に言えば良い。意識改革、カルチャーがどのように変わっているかを外に向けて堂々と発言することも必要である。しかし、それに紛れて意味が不明なまま非公開とされている情報があることも事実である。
原子力発電所の現場で働いている職員は、安全確保のために努力しているという事実をまず理解してほしい。
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