「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」への期待
できるところから着実に成果をつみ重ねること!
・福島の正の遺産
福島は原子力の負の遺産を負ったマイナスのイメージから見られることが多いが、2016年12月開催の廃炉創造ロボコンや、高齢者用バリアフリー・シェアハウスの様な新しいことが、生まれてきている。この様な正の遺産も見て、未来を変えられ、研究者自身も知的に楽しめる研究が、もっとあってほしい。
・社会科学の対象として
社会学者の自分にとって、福島はこの上なくクリエイティブで、しかも研究で住民に貢献できる貴重なフィールド。県外から来て放射線汚染を警戒していた人が、農家の人の話を直接聞いて、急にその畑の桃のジュースを飲む、という様なことも起きるが、こういう事象も研究として見てみると、興味深い。こういう様々なことがたくさんある。
・メディアの報道のあり方など
福島の暗いイメージをメディアが作ると言われるが、必ずしもそうではなく、午前のテレビ放送で、福島の高校生が作った、県外の人と一緒に漁船に乗り、魚を一緒に食べる企画を伝える明るい話題もある。しかし、こうした明るいニュースは昼で、夜は暗いニュースが多い、といったメディアの振る舞いも研究対象になるのでは?
・新たな架け橋となる研究を
社会学の研究では、もう少しテクノロジーやエンジニアリングについて勉強すると、もっと厚みのある研究になるのではないかという印象がある。それは、リスクに関する研究でも同様で、重要な問題ほど、リスクインフォームドな、技術だけでも社会科学だけでもない研究が必要。そのような架け橋的な領域に踏み込む研究を期待したい。
・全体的な提案を
部分的な所を見て対応するのでは無く、もう少し全体俯瞰をしてみるアプローチでの研究に期待する。